のんchan

ミルクののんchanのレビュー・感想・評価

ミルク(2008年製作の映画)
4.2
ハーヴェイ・ミルク氏本人のドキュメンタリーは観ていたが、なぜかショーン・ペンの演技をまだ観ていなかった💦
アカデミー賞主演男優賞を受賞した、彼らしい成り切りぶりには感服し、同時に感動を貰った🥹


自らゲイであることを公表しながら公職に就いた権利活動家ハーヴェイ・ミルクの半生を描き、アメリカの文化や政治に大きな影響を与えた功績を辿っている。
そこには民主主義とマイノリティの関係性が上手く描かれている。
一見、自由な国に見えるアメリカでも、ゲイに対する激しい弾圧や、ゲイへの公民権を制限する保守反動があり、ゲイの人権を守る為には身を挺して闘う必要があった。


1972年、ミルク(ショーン・ペン)は、20歳年下のスコット(ジェームズ・フランコ)と恋に落ちる。サンフランシスコへ2人で引っ越し、カストロ通りにカメラ店を開業する。
社交的なミルクを慕って、店には同性愛者やヒッピーたちが集まるようになっていく。その頃はまだ同性愛が市民権を得ていなかった時代。彼らを快く思わない保守的なカトリックの住人たちに対抗するため、ミルクは社会の不平等を改革すべく行動を起こす。新しい商工会を設立し「カストロストリートの市長」と呼ばれるようになっていく。

1973年11月、ミルクはサンフランシスコ市の市政執行委員に立候補し、同性愛者を含む全ての人間の権利と平等を訴えるが落選。2年後も落選するが、市長に当選したモスコーニ(ヴィクター・ガーバー)の知己を得る。
政治的活動の幅を広げていくミルクだが、恋人スコットとの間には別れが訪れてしまう。
1977年、3度目の立候補で初当選する。その頃はミルクに新恋人ジャック(ディエゴ・ルナ)もいたが、ミルクが多忙過ぎる寂しさから自殺。心身共に疲労していたミルクは、いつしか身の危険を感じるようになりテープレコーダーに遺言を録音し始める。
1978年11月27日、辞意撤回をモスコーニ市長に拒否された同僚の市政執行委員ダン・ホワイト(ジョシュ・ブローリン)が拳銃を手に市庁舎へ侵入し、市長とミルクを射殺する。ミルク享年48歳。委員就任後11ヵ月の出来事だった。
同性愛者だけでなく、サンフランシスコの3万人を超える市民がカストロ地区から市庁舎までを行進してその死を悼んだ🙏


ドキュメンタリーを観ていたので話はスンナリ入って、ショーン・ペンの細かな演技をじっくりと堪能出来たのが良かった🌟
撮影当時は47歳かな?ほぼミルクと同年で、主人公に気持ちを全部持って行ったように見えた。

ショーン・ペンとジェームズ・フランコのキスシーンは多いが、いかにもゲイと思わせない自然な演技がキレイです。ミルクを慕う仲間に、エミール・ハーシュ、ルーカス・グラビール、アリソン・ピルらの演技も良い。
いつもながら、どのシーンも完璧な演技の凄さ、演説シーンも素晴らしかった👏
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