千年女優

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマーの千年女優のレビュー・感想・評価

3.5
廃墟と化した友引町にあって特に混乱した様子もなくそれぞれの時間を過ごす諸星あたるやラムら友引高校の人々。場面変わって学園祭を控えた友引高校、開催にあたって準備に切迫して連日連夜泊まり込みでの作業を賑やかに行うお馴染みの面々が、やがていつまで経っても来ない明日を不審がって原因究明に臨む様を描いたアニメ映画です。

独創的な宇宙人とのラブコメ設定で一世を風靡した高橋留美子の代表作『うる星やつら』の劇場アニメ映画第二弾として前作『オンリー・ユー』に続いて押井守が監督を務めた1984年公開作品で、当時はまだ珍しかったタイムループを意味深に描いた物語で根強い人気を得るもキャラの解釈の違いで高橋の怒りを買ったとの説が一般化しました。

後の作品でも用いる監督お気に入りの「繰り返しからの脱却」を日常系作品の「成長しない登場人物」で描く着想は鋭いですが、といってその掘り下げは深くなくラブコメとの相性は悪しと独り善がりの感は拭えません。それでも説明不要の人気キャラと力のある声優に助けられながら印象的な画と音楽でサスペンスを盛り上げている一作です。
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