ガブXスカイウォーカー

零戦黒雲一家のガブXスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

零戦黒雲一家(1962年製作の映画)
3.5
《あらすじ》
太平洋戦争末期、南海の小島に分遣航空隊長として海軍飛行中尉・谷村雁(石原裕次郎)が赴任してきた。しかし、分遣隊の隊員たちは軍人というよりならず者と呼んだ方がふさわしく、上官暴行罪で少尉から上等飛行兵曹に下げられた八雲甲三(二谷英明)が指揮をとっていた。その翌日、慰安婦の生き残り、平岩奈美(渡辺美佐)が島に流れ着き、兵士たちはいっそう荒れることとなる。奈美は元歌手。以前、慰問に訪れた戦地で将校に暴行され、それに怒って相手を殴って罰せられたのが八雲だった。自暴自棄になり慰安婦となった奈美の姿に八雲は苦悩する。やがて島には敵が飛来するようになり、兵士たちは死者を出しながらも谷村を中心に一つにまとまっていく。そんな時、味方の潜水艦が救出のために駆けつけてくれた・・・・。


石原裕次郎主演、舛田利雄監督の戦争アクション映画。種子島の旧軍飛行場跡地で撮影されただけあって、のびのびとユーモアあふれる荒くれ男どもが描かれている。奈美をみんなで姦わすのかと思いきや、そこは全盛期の石原裕次郎映画なので、石原演ずる谷村隊長がみんなを抑える。男気に満ちた豪快な男、谷村とならず者たちが対立を繰り返しながらいつしか一つにまとまっていくドラマはお約束とは言え、悪くない。
ラスト、奈美と仲間たちを逃がすために勝ち目のない戦いに飛び立つ谷村と八雲。その姿に今作と同じ舛田監督の『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』のラストが重なったと言うのはうがった見方であろうか?

なお海上自衛隊の協力を得て、実機のノースアメリカンT-6テキサンを零戦に、P-2vネプチューンを米軍双発機に改造しただけあって飛行描写は見事。ミニチュア特撮にはない迫力があった。