一旦｢ドッグヴィル｣でグレースとは友達になってしまったので、今作はミステリアスな雰囲気もなく(演者が変わったことに特にノイズも感じず)、悲劇のヒロインというメッキも剥がれてしまっている。だから同じ轍を踏んだり、教訓から学んだものが仇になったりする度、｢もう……｣と失笑してしまう。住人を間違えて覚えていたときのグレースの取り澄ました顔なんか、もうわたしの大好物です(月明かりに照らされたとき、きっと私の顔はドッグヴィルのそれだろう)
白線については、前作のような窮屈さがなく、あんまり効果を感じなかった。
｢グレースと歩く社会学｣みたいなドラマシリーズを観てみたい。アメリカのみならず、全世界をかき回してほしい。
