大道幸之丞

ローズマリーの赤ちゃんの大道幸之丞のネタバレレビュー・内容・結末

ローズマリーの赤ちゃん(1968年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

1968年のポランスキーの「出世作」と言われている。

この時代にしてはテンポもよく物語は淡々と進む。

当時話題になった理由と思しき要素は、新婚のガイとローズマリー夫婦が「いわくつき」のアパートメントに入居するも同フロアの老夫婦がなんとなく怪しい。馴れ馴れしい。
妊娠をし常に精神状態が不安定になるローズマリーが、周囲が悪魔信仰者で囲まれて自分がその生贄として「悪魔の子」を産ませられるような妄想に苛まれて、そこから逃れるための行動もする。視聴者は八割方、「心配はローズマリーの妄想で杞憂」と思わせて進むと思う。

しかし結局ローズマリーの妄想は全て現実であった——というまさかのショッキングなオチが当時はかなり斬新で新鮮なアプローチに思われたのではないか。

「名作」と構えて観ると「え?こんな感じ?」と肩透かしを食らうかもしれない。ただし老夫婦や周囲の悪魔信仰者たちが「さり気なく奇妙」な部分があるのだが、その描写は丁寧に行っていると思う。