井出

ローズマリーの赤ちゃんの井出のネタバレレビュー・内容・結末

ローズマリーの赤ちゃん(1968年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

一番すごかったのは演技。ミアファローがお腹の痛みが止んで喜び、死んだのではないかと不安になり、動き出して安心するというのを立て続けに、長回しの最後にやり、夫役もリアルに反応に困ってるんじゃないかってくらいに思う、演技、演出に脱帽なシーン。
無音でカメラは定位置で追うという、俳優に対してストイックな目線を感じ、うまく期待に応えていてすばらしかった。最後、赤ちゃんを移さず、反応やセリフだけで表現するあたりもよかった。
色彩もすごくて、色の役割は一回では判別がつかないが、赤はかなり転換、強調の象徴になっていて、こっちもぞくぞくした。
妄想か現実か全くわからない演出、脚本が、臨場感をつくり、観る者に主人公へ共感を抱かせた。本当に悪魔なのではないか、どこからが彼女の妄想なのか、矛盾する点はどちらが正しいのか、赤ちゃんの名前がころころ変わってないか、などの疑問やカメラ位置がたまに低くなったりして誰目線なのかとか、観る者にいろんな疑問とか腑に落ちなさを演出してカオスにもっていくのはすごかった。
ポランスキーの足フェチも出てた。
始まりと終わりはつながるし、とくに始まりはサイコや赤線地帯と一緒で、いろんな意味が考えられる。
彼の生涯からか、キリスト信仰の揺らぎも見えた。
音楽の使い方もすごかった。レコードの役割はわかりやすくてよかった。
海の上のシーンでカメラもゆらゆら動いたりと、いろいろな工夫があった。
話もちょー面白い。
井出

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