孫を置いて離れて優雅に過ごすおばあちゃん、育児放棄なのでは。パンちゃんに加えてトラちゃんも世話するミミ子ちゃんには本人が望んでいる事とは言え、今風に言うとヤングケアラーの香りがする。「素敵な洪水です」も東日本大震災や九州を中心に各地で大水害が頻発している昨今では生々しく、無害なファンタジーなのにどこかポストアポカリプスの様相を感じさせられて、ちょっと今の世相と環境では不穏なものを含んだ作品に映った。
そういう事を考えなければジブリの萌芽を見て取れる楽しいアニメです。汽車が水中から線路なき森を街を走り抜けその後ろを車が追っかける光景は前作に引き続き宮崎駿も加わってるだけあってルパンのようだ。今作でもよほどのこだわりがあるのかパンモロで逆立ちして喜びの感情を表すのは健在。そして虎は尻尾で立つ。並の発想では思い浮かばない。アン・シャーリー・カスバートにも劣らない想像力の翼！
