救済P

映画 ふたりはプリキュア Splash Star チクタク危機一髪!の救済Pのネタバレレビュー・内容・結末

4.1

このレビューはネタバレを含みます

3.3ってマジでなんやねん

※以下、セリフに関わるネタバレあり

舞・咲に不自然な喧嘩が強制されておりキャラクター性が脚本の犠牲になっているというのは全くその通りだと思う。脚本もありきたりなもので特段評価できるところはない。
しかし、舞と咲の絆の描き方が2億点なので最高映画。咲が迷宮の中で舞の名前を叫んだ時、その叫び声は舞の耳にしかどとかなかった。にも関わらず、舞に同行していたミニッツは咲の声が聴こえたという彼女の言葉を肯定する

「でもキミには聞こえるんだよね、なら間違いないよ。だってあの子の声が真っ先に届くのはキミ以外にいないもの。」

ミニッツのこの所感は全く『プリキュア』という存在の的を射ていて、初代から続きなんら必然性を介さず、偶然でプリキュアとなった彼女たちだがそれにも関わらず「一緒にプリキュアになった」というその事実に『運命性』を付与している。
そして迎える最終決戦、全く偶然によりプリキュアになったはずの2人は
「だからプリキュアはふたりなの!」
と宣言する。これこそまさしく『ふたりはプリキュア』の名を冠したS☆S自体へのアンサーであり、S☆Sがどういう作品であるかを象徴するセリフだと言える。

脚本の問題は確かに残るが、それが2人を「プリキュアたらしめる」ために練られたものだと考えるならば、この映画は加点方式で2億点であり、否定のしようがない。
背中合わせに手を握り、少しずつ装備を纏う変身シーンは屈指の名シーン。否定的な評価に惑わされず、「プリキュアとはなにか」を考えながらじっくりと見てほしい。
救済P

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