御朱印帳

クィーンの御朱印帳のレビュー・感想・評価

クィーン(2006年製作の映画)
3.2
エリザベス女王追悼で鑑賞。

ダイアナ元妃の事故死の際に追悼の意をなかなか示さなかった王室の冷たさに英国民が不満を抱いていることをトニーブレアがエリザベス女王に忠告し、エリザベス女王は、慣例と態度を改めて行動を示す。このようなことがあつたのは、最近まで知らなかった。

ダイアナが国民的人気があつたとしても英王室にとつては、将来の国王の母親とはいえ、既に家を出て行った人、無言を貫きたかった気持ちは分かる。それだけ、ダイアナの人気が凄まじかったということか。

エリザベス女王も自分の気持ちは抑制し、国民に全てを捧げることを美徳としてきたとブレアに語る。ブレアとの信頼関係も描かれる。

弔意を示すために、バッキンガム宮殿の前に置かれた花束を見ながら、人々の中に入っていく女王に対して少女が、「(ダイアナでなく)あなたに」と言って花束を渡すシーンが「それでいいんだよ。」と言っているようで、他の群衆も無言で女王を支持する表情となり局面の転換として象徴的。

君主制も英王室も国民の支持がなければ存続できない、というのが現実というのがこの映画のメッセージなのか。英王室の日常生活や本音も織り込まれ、興味深い。

未だに英国王を君主とする国が16(?)もあることにエリザベス女王の崩御の際に知り、未だに大英帝国なんだと驚き。

エリザベス女王の生涯を羅列するだけで大河ドラマのようになるだろう。

偉大な"The Queen"に改めて合掌。
御朱印帳

御朱印帳