KnightsofOdessa

ドクトル・ジバゴのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

ドクトル・ジバゴ(1965年製作の映画)
4.0
[] 80点

長尺歴史絵巻担当という印象のあるデヴィッド・リーンだが、実はそこまで長尺歴史絵巻を撮ってない説あり。いきなり赤軍将校になったアレック・ギネスが登場するので笑ってしまう。彼が英国人以外を演じると食えないおじさんになる法則、これも全部デヴィッド・リーンによるものなんだが。全員が英語を話している以外は不思議とソ連映画っぽさを感じる作りになっていたが、これをカラトーゾフ&ウルセフスキ&サモイロワのトリオとか同時代のソ連の作家に任せたらどうなっただろうかとも思う(今の人が撮っても安っぽくなるだけとも思う)。しかし、その"ソ連映画"っぽさはどこから来てるんだろうか?大量のエキストラとかセットやロケーションの豪華さとかそもそも本質的に似通っているのか。作中でまあまあな時間が経過していて、途中50分くらいラーラが出て来ないのとか、その後でもう一回会えるかもってなったら運命感じちゃうよねっていう贅沢な時間の使い方が上手い。それでいて別にいらないところは省略するので、200分に無駄がない。序盤でコマロフスキーが嫌そうなラーラにベール掛けるとことか、ラーラに無理矢理酒飲ませるとことかの心情描写も上手い。兄弟初邂逅シーンで、アレック・ギネスが指鳴らして人が去っていく時のギネスの後ろ姿とか、彼が回想中に一言もしゃべらない感じとかも上手い。上手いんだけど、やっぱり長いことには長いし、他の監督作品と同様に、あまり記憶に残らないと思う。というか、マジでジェラルディン・チャップリンが本当に丁度いい配役なんだよな。愛し愛されてるんだけど二番手みたいな立ち位置。あと、ラーラと前夫との娘カーチャの存在がずっと空気なんだけど、あのあとどうなったん?残り14本。
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