これが黒澤明の作品か、と思うような珍しいテーマの映画だった。
人気歌手が知り合ったばかりの画家を旅館の部屋に入れたところを写真に撮られて週刊誌ネタになって、裁判で争うという内容。
三船敏郎主演だが…
スキャンダルに巻き込まれた人、弁護する人とその家族のお話
「あの人は悪いのではなく、弱いのだ」
真理ですね、肝に銘じます。
それにしても自分の裁判で醜態を晒し続けた弁護士に対して「お星様が生まれ…
このレビューはネタバレを含みます
1950年。
黒澤明が初めて松竹に招かれメガホンを取った作品。
脚本は「野良犬(49)」と同じく菊島隆三との共著。
新進気鋭の画家・青江(三船敏郎)と美しい声楽家・西條(山口淑子)が偶然出遭ったとこ…
マスコミの醜悪さを描いた作品かと思いきや、人間の弱さ、醜さ、そして美しさを描いたヒューマンドラマ。これが後の名作「生きる」につながていく感じだろうか。どうしようもなく弱くて落ちぶれた親父がほんのちょ…
>>続きを読む志村さんはこういう弱さが表に出てる役より、しなやかな芯のある人物の役の方がよく似合って物語も光ると感じました。
もともとあくの強い風貌で愛嬌お化けだから、あんまり人間臭い役だとコテコテしちゃう。
…
これ主人公は三船敏郎じゃなくて完全に志村喬さんやん。
娘が難病に苦しみ、でもお金は賭け事に使っちゃう。それがもとで依頼人の相手方である被告人にもいいように使われてしまうダメダメ弁護士を演じている。
…
三船が主人公と思いきや、実際は弁護士役の志村の方が主人公。それくらい彼の改心が感動のカタルシスを生む。
それにしても、あまりにもタイムリーな作品。
70年後のいまもほぼ変わらない構図で、なんとも哀…
このレビューはネタバレを含みます
伊豆で偶然居合わせた若い男女が旅館で一緒にいる姿が写真に撮られ、雑誌社により過激なスキャンダルとして掲載されてしまう。事実と異なる捏造記事に激怒した青年は雑誌社と裁判で争うことに。そんな彼の元に蛭田…
>>続きを読むこのレビューはネタバレを含みます
芸術家、記者、弁護士。どれも似ている。事物を解釈して伝える。自分の産物に責任を持てるかどうか、虫か星か。
来年からは、と責任を先送りにする人。あるある。そのクリスマスシーンは憐れで印象深い。希望的解…
松竹株式会社