こたつむり

キッスは殺しのサインのこたつむりのレビュー・感想・評価

キッスは殺しのサイン(1966年製作の映画)
3.3
♪ 口唇に奪われた あの愛の蜃気楼の中で
  乱れていた この胸 心どうでもイイと…

娯楽映画ど真ん中ストレート!
…と言いたくなる作品でした。

アメリカで劇場公開されたのは1966年。
日本では『ウルトラQ』がテレビで放映されたり、若大将・加山雄三さんの『君といつまでも』が大ヒットしたり…まさに“古き良き時代”ですね。

だから、本作で主張すべきは“非日常”。
美女が画面狭しと水着姿で暴れ、スリル満載のサスペンスを当時の人たちは望んでいたわけで。そこに“整合性”とか言い出すのは野暮の極み。まるっと物語を飲み込んだほうが“粋”です。

それに考えただけでワクワクしませんか。
美女ばかり集めた諜報機関…そのトップに立てば色々とやりたい放題。勿論、敵方の立場になっても死ぬ前に天国を味わえるわけで…ぐふふ。

と、昔のお父さんたちは考えたわけですね。
けしからんなあ。もっとやれ。

また、ファッションは一巡すると言うように。
2020年の視点で観ると、当時のメイクに違和感を抱かないのもラッキーでした。80~90年代に観ていたら肩が下がっていたと思います。つけまつげ、くるくるっ。

ちなみに個人的な嗜好で言えば、エルケ・ソマーの小悪魔的な表情も捨てがたいのですが、シルヴァ・コシナの笑顔のほうが好きです…って「何を贅沢なことを言っているのか」なんてツッコまないでくださいね。そういう作品だから仕方がないのです。

それと驚いたのが日本人も出演していたこと。
いきなり流暢な日本語が飛び込んできますからね。片言でないところに誠意を感じました。

まあ、そんなわけで。
登場人物が多過ぎて物語が整理されていない…なんてツッコミも可能ですが、そこは大いに目をつぶるが吉の作品。素直に美女“だけ”を楽しみましょう。ぐふふ。
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