カレス

ヒューゴの不思議な発明のカレスのレビュー・感想・評価

ヒューゴの不思議な発明(2011年製作の映画)
3.8
IMDb 7.5
吹替/字幕
3Dファンタジー

雨丘もびりさんが「まったく噛み合わない会話とナゾすぎる行動に「なんで?」と首をひねり続けた」と言うので注意深く鑑賞した。この映画を見るのは3回目。最初はまだクロエ・グレース・モレッツを知らなかった。ネトフリドラマ「セックス・エデュケーション」で人気のエイサ・バターフィールド、2人の当時13歳がこの映画のストーリーを牽引している。
3D映画なので劇場鑑賞しないと本当の良さは分からないのかも知れない。「2001年 宇宙の旅」はストーリーより映像や未来のリアリティを楽しむ映画だと自分は思うようになったけど、この映画も映像を楽しませる一面があると思う。クロエとエイサも魅力のひとつだろう。

ジョルジュ・メリエス(1861~1938)
マーティン・スコセッシ(1942.11.17生)
クロエ・グレース・モレッツ(1997.2.10生)
エイサ・バターフィールド(1997.4.1生)


--------以下ネタバレ----------

(中盤までのあらすじ)
1930年代 雪のパリ
モンパルナス駅

□ ヒューゴ・カブレ:身寄りがなく、モンパルナス駅で身を潜めて大時計の世話をして1人で暮らしている。父の残した機械人形は彼の宝物。
ヒューゴは時計台からパリの街並みを眺める度に、街全体が大きな機械だと思う。機械には余分な部品はなく、必要なものだけでできている。だからパリの街の全ての物や人には目的があり、何かの役に立つのだとヒューゴは考えている。

□ パパ・ジョルジュ:駅構内の玩具店の主人。ヒューゴの大切にしている修理手帳を奪うが、ヒューゴの修理のウデを見込み店で雇う。

□ イザベル:両親はなくパパ・ジョルジュとママ・ジャンヌと暮らしている。読書が好きな少女。本の世界にはネバーランドとオズと宝島が同時に存在していると言う。

□ ヒューゴの不思議な発明「機械人形」:亡くなった父に代わりヒューゴが修理してきた。イザベルがママ・ジャンヌにもらったハート型の鍵を差し込むと動き出して映画「月世界旅行」の絵を書き出した。機械人形は絵を書き終わると"ジョルジュ・メリエス"(パパ・ジョルジュの本名)と署名した。この機械人形はヒューゴの父が博物館の屋根裏部屋に放置してあったものを譲り受けたのだが、実は元の持ち主はジョルジュ・メリエスなのだった(メリエスは事業に失敗した時にオートマタのコレクションを博物館に寄付したのだが、戦後で余裕のない博物館は破棄したのだった*)。
ヒューゴとイザベルは「月世界旅行」の絵を見て映画に興味を持つことになった。

□ ルネ・タバール:駅構内の書店の主人は、そんな2人に「映画アカデミーの資料室の2階4列目第3セクション」の「夢の発明」ルネ・タバール著を読むように勧める。2人はさっそく映画アカデミーに赴きその本を読み出した。本には「月世界旅行」の写真も載っており、ジョルジュ・メリエスは映像作家であり「映画には夢を形にするパワーがあると気付いた最初の人物である」と書かれていた。さらに「映像制作の偉大なるパイオニア、大戦中に惜しくも死去」とあり、怪訝に思う2人に声をかけたのはその本の著者ルネ・タバールだった。イザベルは彼に「ジョルジュ・メリエスは私の名付け親でピンピンしてるわよ! 」と話す。メリエスを尊敬するタバールは彼に会いに行くことにした。

*実際には、オートマタが博物館に寄贈されたのはメリエスの死後である。

【参考】
wiki 「ヒューゴの不思議な発明」より
「本作では『映画への愛』が重要なテーマとなっているが、スコセッシ自身は「私がこの映画を作ろうと思ったのは『映画愛』とか『映画のありがたみ』を伝えるためではなく、単純に娘のために作るということが目的だった」と語っている。」

wiki 「ジョルジュ・メリエス」より
「ジョルジュ・メリエス(1861年12月8日 - 1938年1月21日)は、フランスの映画監督、俳優、マジシャンである。映画の創成期において様々な技術を開発した人物であり、世界初の職業映画監督のひとりといわれている。」
「全てを失ったメリエスは、公の場に姿を見せなくなった。1920年代中ごろにはモンパルナス駅周辺で飴と玩具の売り子をし、他の映画製作者らが集めた基金による援助で食いつないでいた。1925年、長年の愛人だったジュアンヌ・ダルシーと結婚し、パリに住んだ。1920年代末ごろ、何人かのジャーナリストがメリエスと彼の業績を調べ始め、新たな関心が生まれた。映画界で再評価されるようになり、1929年12月にはサル・プレイエルで回顧展が開催された。それについてメリエスは回想録で「人生の最高の瞬間を経験した」と記している。」

トリビア:ヒューゴの機関車事故の夢は、実際にモンパルナス駅で起こった事故を模倣したようだ。モンパルナス駅で画像検索すると分かる。
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