滝和也

戦略大作戦の滝和也のレビュー・感想・評価

戦略大作戦(1970年製作の映画)
3.9
悲観的になるんじゃねぇ

独立愚連隊!西へ!
ではなく銀行へ!

ドイツ軍占領地に隠蔽
された金塊目指して
前線突破し、まっしぐら!

激突!ティーゲルvsシャーマン!

「戦略大作戦」

邦題が本格戦争モノの匂いを醸し出してますが、中身は戦争冒険活劇。アクションアドベンチャーです。しかもコメディテイストを交えた。クリント・イーストウッド、テリー・サバラス、ドナルド・サザーランドの強力布陣が光りますね。

ノルマンディ上陸後、フランスを開放しながら進撃する米軍。偵察小隊のケリー元中尉は捕えたナチスの情報将校から1600万ドルの金塊がある街の銀行に隠されている事を聞き出し、分捕って山分けしようと考えた。常に最前線にいながらも美味しい所を本隊に持って行かれていたジョー軍曹を中心に金塊強奪戦へと偵察小隊は突き進む。ティーゲルが三輌待ち受けている事を知ったケリーは、壊滅した事になっていたオッドボールの戦車隊を引き込み、強奪に向かう!

クリント・イーストウッドの初期作であり、荒鷲の要塞の監督ブライアン・G・ハットンと再び組んだエンターテインメント戦争作品です。荒鷲の要塞もシリアスで面白かったのですが、こちらは更にコメディテイストを入れ、更に面白さを増してます。

クリント・イーストウッドはコメディ作でも基本コメディを自らがやらないのですが、コチラも同じ。クールな魅力のある作戦司令官ですね。※ホントは降格された二等兵なんですが…(笑)

そこでコメディリリーフが部隊内メンバーが務める訳ですが、ここに加わる戦車長ドナルド・サザーランド演じるオッドボールが最高なんです。奇人・変人だけど腕があり、シャーマン戦車を駆り大活躍。すっとぼけたセリフの鶴瓶打ちです。

更にケリーの相棒としてのビッグジョー役のサバラスが鬼軍曹としてハマり役。いかつい独立愚連隊メンバーを統制します。

イーストウッドはコメディらしいコトを本人は言いませんが、クライマックスではこの二人と笑える見せ場があります。正に当時のイーストウッドらしさを出したマカロニウェスタンを思わせますが…(^^) 格好良くて笑えるこれは名シーン。

戦争アクションとしても、かなり金をかけていて、爆破シーンや戦車戦も迫力があって楽しめます。小兵のシャーマンが無敵のティーゲル戦車を叩く辺りは、理にかなってますし、ミリタリーファンも楽しめるはず。またヌーボーとしたサザーランドの台詞がこれにハマるんです。

イーストウッドのクールさ、サザーランドのコメディリリーフ、サバラスの演技が三位一体となったエンターテインメント作品です。この監督エンタメ職人として再評価して欲しいですね。前半ややもたつくものの、中盤あたりからスピードが増し、かなり面白い。これはエンタメ好きにはオススメです(^^)
滝和也

滝和也