ナツミオ

戦略大作戦のナツミオのレビュー・感想・評価

戦略大作戦(1970年製作の映画)
4.0
DVD鑑賞
若きイーストウッド主演の戦争コメディ・アクション作品
これも久々の鑑賞ながらお気に入りスルメ作品

1970年米作品
監督 ブライアン・G・ハットン
音楽 ラロ・シフリン
出演 クリント・イーストウッド テリー・サバラス ドン・リックルズ ドナルド・サザーランド キャロル・オコナー カール=オットー・アルベルティ ハリー・ディーン・スタントン

第二次世界大戦後期のヨーロッパ戦域・1944年9月フランス。
米軍歩兵師団のケリー二等兵(イーストウッド)は敵陣偵察で独軍情報部大佐を捕虜にし、独占領下のフランスの田舎町の銀行にナチスの金塊が大量に保管されていることを知る。
これを横取りしようと同じ部隊の仲間達を引き入れ私的な作戦を開始するが、目的地は敵占領地の前線後方50kmの町クレルモン。
最強戦車タイガーI型3台に守られている14000本の延べ棒。
欲に目が眩んだ男たちの熱い戦いが始まった・・・

主要登場人物
ケリー二等兵は元士官、中尉だったが上層部のミスで味方陣地を誤って攻撃しその責任を取って二等兵に格下げされた経歴だが元将校の強みでクールな戦略家。

ケリーの上官ビッグジョー軍曹(字幕では曹長)演じるはテリー・サバラス。
口は悪いが部下の安全を常に気遣う鬼軍曹。戦闘の戦術に長けている。サバラスの存在感抜群でイーストウッドと対等の演技。

応援はオッドボール軍曹(サザーランド)率いるシャーマン戦車3両。敵タイガー戦車が待ち受けている事はまだ知らされていない。

補給部主計軍曹のクラップ(リックルズ)は金の匂いに敏感で必要資材を取り揃えて参加するも実戦経験無し。

ビッグジョー軍曹の部下の中に若きハリー・ディーン・スタントン(ウィラード二等兵役)発見‼️

ケリーの仲間になったオドボールが戦車へ案内する場面が笑える。戦車兵達は酒か麻薬でフラフラ、野営地は、戦車の大砲に洗濯紐が結ばれ洗濯物がはためき、隊員は各々寛ぎ豚の丸焼きを回す者、ヒッピー風女性もいたり、何か怪しげな何かを作ってかき混ぜていたり、さながらヒッピー村の雰囲気でパーティをしている場面は、70年代カルチャーの影響も見られるシーン。

終始コメディでは無くマジな戦闘場面、敵が駐屯する鉄路の駅をトンネルからシャーマン戦車隊が不意打ち攻撃し全滅させる。
が、スピーカーから流れるカントリー曲とのアンバランス!
後々の『地獄の黙示録』でのキルゴア大佐搭乗するヘリが「ワルキューレの騎行」を流しながらベトコンを攻撃するシーンを思い出した。
途中、地雷原での戦闘シーンは虚しさ残る余韻も漂う。

クライマックスの金塊のあるクレルモンの町でのシャーマン戦車1両vsタイガー戦車3両の戦いが見もの。
敵の戦車兵と話し合うシーンは、もろにマカロニウエスタン‼️
音楽も口笛の入ったモリコーネ調でニヤリ。
音楽はラロ・シフリン。
勿論、オープニングやエンディング曲も70年代ポピュラーソング的な軽い曲調も軽い感じに一役買っている。

敵タイガー戦車115号車の車長の顔に見覚えあるなと思ったらカール=オットー・アルベルティ。
『大脱走』でビッグXを捕まえた親衛隊将校役の俳優さん。
この人、戦争映画でやたらドイツ将校役が多いドイツの俳優さん。

ラスト直前の金塊奪取後、空き家となった銀行に進軍してきた米軍部隊の1人が、中に描いてある漫画。戦争中に流行った「キルロイ参上」。文字は変えてあり「Up yours baby」(おとといおいで、の様な意味)
この漫画は、色々な映画、書籍でも登場するので調べてみても面白い。

本作は先日観た、『荒鷲の要塞』と同じ監督と組んだイーストウッド。ダーティ・ハリーのブレイク前の本作では主役に昇格し、更にカッコ良い姿が観られる戦争娯楽アクション作品。
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