ヒチ

旅人は休まないのヒチのレビュー・感想・評価

旅人は休まない(1987年製作の映画)
3.0
主人公が亡くなった奥さんの遺骨を埋めるために彼女の故郷を訪れようとするが、そこは北朝鮮の領土となってしまっていて行くことができない。立ち往生となってしまった主人公は仕方なく近くの宿に泊まるが、そこで老人とその介護をする看護婦に出会う。そしてその老人もまた、死ぬ前に故郷に戻るため今は北朝鮮となった土地へ向かっているのだった。
このあらすじから分かるとおり朝鮮半島の分断が1つのテーマになっているが、そこにシャーマニズムなど土着的な要素が加わって独特な雰囲気を醸し出している。主人公が北へ向かえば向かうほどこの世から遠く離れた場所に行っているような感覚になり、幻想的な雰囲気が強まっていく。
全編がセピア色のくすんだ映像で綴られているのも特徴で、どこか病んだ印象も受ける。つげ義春が映画撮ったらこんな感じになりそう。
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