どなべ

戦火のかなたのどなべのレビュー・感想・評価

戦火のかなた(1946年製作の映画)
3.0
原題の「PAISAN(Paisà)」はcountry fellow(同胞)くらいの意味を持つナポリのスラングらしい

同胞とはイタリア市民にとっての(反ファシストとしての)連合国軍のことを指すようで、この映画ではシチリア島に始まって北上してゆく連合国軍の軍人と市民の仲の良い関わり合いをいくつかのショートエピソードでつないでいる

エピソードは多分ほとんど創作で、製作者のイデオロギーをそのまま調子よく表しており、そのまま信じるわけにはいかなかった
(ドイツ側だけを残虐に描き、自分たちは人間味溢れる存在として描くのはどうなの?という意味で)

舞台はエピソードごとにシチリア島・ナポリ・ローマ・フィレンツェ・ポー川と移ってゆくが、(シチリア島以外は)ご丁寧にそれぞれの場所でロケをやったらしく、戦後すぐの瓦礫だらけの街並みを使ったシーンには説得力めいたものがあった
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