ドイツ軍の傀儡政権である「イタリア社会共和国」をおいつめ、連合国軍がしだいにイタリアを制圧していく過程を背景に、戦争の犠牲となった市民たちをえがく6つの「ちいさな」ものがたり。
挿入される実際の映像が見せる記録映画的リアリティと、フィクションがつぬりだす繊細な心理的リアリティのアンサンブルが見事。
いすれも観るものを切なくさせる珠玉のエピソード群が、2時間観終えたあとに得も言われぬ切実な空気をもたらす。
修道院でのエピソードは抽象度が高く、作品の本質的な部分を違う方向から鋭くえぐりだしていて興味深い。