黒沢清監督も"評価は低めだが大好きなフェリーニ作品"として挙げていたが、『8 1/2』のセルフパロディ版といった感があり面白い。
たしかに如何にも巨匠の晩年の珍作、典型的な誇大妄想型映画といった感じではあるので評価が低めなのも頷ける辺りではあるが、私もこれは嫌いになれない。本作は音楽がお馴染みのニーノ・ロータではなく、テクノポップバンドの曲が使われていたりするなど異色。
フェリーニの骨頂でもある、どれだけ極上の嘘をつけるかといったような見世物としてのケレン味が本作は本当に行き着くところまでいっている。フェリーニ秘宝館といったところだろうか。
フェミニストたちの集会に迷い込んだり、本当に楽しい。男は女がいないと生きてゆけない。素晴らしきフェミニズム映画。