響介

女の都の響介のレビュー・感想・評価

女の都(1980年製作の映画)
3.9
女好きの中年男の白昼夢 スケベ顔のマルチェロ・マストロヤンニがとにかく最高すぎる 彼のことがさらに好きになってしまった 列車で会ったエロい熟女を追ってとあるホテルに迷い込む そこは女の都 総勢2663人もの女性が登場 次々に台詞を吐き捨てる
「男女平等な体位の追究を」
「ペニスなんかクソ喰らえ!」
「女のマスターベーションに賛成」過激なフェミニズムや女性性器の讃美
「フェラチオだけは許せない あんな子供じみたマネ お断りよ!」ってブチぎれるオバさん それに対し「私 フェラは好きよ」と別のオバさん セリフを並べるだけでももう面白い でもフェリーニの映画に出てくる女性ってあまりタイプではない(いわゆる性的にデフォルメされた女性?)
「結婚に反対!結婚は悪夢!」って女大人数で叫ぶ それに対し「まったく君らの言う通りだよ」って呟く主人公(マストロヤンニ) 笑った この主人公はフェリーニの分身と思うと余計おもろい

終盤に出てくる女性の取り調べ官のセリフが男のダメさ、どうしようも無さはここにすべて集約されてると思うほどにこれ以上なく的確に表していて最高すぎたので全文メモしておきます

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傲慢な態度
性的な喜びを与えることもできない
自分の女性的な部分を認めず
何度言っても服を着替えずに寝てしまう
周囲に目を向けずオナニーに没頭する
自分に甘く大事なことを話さず
あいまいで結論を出さない
どうでもいいことばかり話す
性や特に体毛に関して
余りにマニアックな嗜好を持ち
一人の女性のために尽くすことができない
どこかに理想の女性がいると幻想を抱く
女性は男性に劣ると思っている
それなのに女性を最高の存在とも考え
矛盾し屈折した欲望を抱いている
下品さや攻撃性を素直に認めず
ずうずうしく遠慮を知らない
寂しがりやで変わり者で自己顕示欲が強く
愚かな夢を懲りずに追い求めている
しゃくし定規で
ブルジョワ的で落ち着きがない
料理ができない 立ち小便をする

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あとDVDの夏木マリの
「今度生まれてくるなら、男になりたいと願っている わたしにとって、この映画のラストシーンはたまらない 男があんなチャーミングな顔になる時って… 夢見ているんだろうなと なんだかうらやましく思うのだ」
てコメントがよかった 女性視点だとそうなのか

とにかく現時点でのフェリーニ最高傑作でした
響介

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