スギノイチ

やくざと抗争 実録安藤組のスギノイチのレビュー・感想・評価

やくざと抗争 実録安藤組(1973年製作の映画)
3.0
学生やくざ時代の安藤昇(劇中では矢藤と表記)が安藤組を立ち上げるまでを描いている。
前作と違い自伝を基にしているので体裁は「実録」作品なのだが、物凄くフィクション臭い。
安藤昇といえば頬の傷。その傷がつけられるシーンから映画は始まる。
学生服を着た安藤昇(かなり無理がある)は、銀座の顔役・ドスケンと争い、頬に傷を負う。
その時につけられた頬の傷を麻酔無しで手術するシーンは痛すぎ。そしてその直後レイプというアグレッシブさ。
この冒頭からも判るように、この映画、妙に暴力描写が激しいのだ。

耳削ぎ、腕潰し、性器切り取り…石井輝男も真っ青の人体破壊ラッシュ。
だが、生ゴミの様に捨てられた仲間の死体を見て、愚連隊だった若者達は「安藤組」を立ち上げる。
安藤昇本人による主題歌に乗せ、敵を迎え撃つ銃火のカットで映画は幕を閉じる。
『明日に向かって撃て』や『ガルシアの首』みたいで非常に格好良い。
世間からはヘボ監督扱いされている佐藤純彌だが、ここの演出は凄くイカしている。
おかげで「実録」感が薄まっているところはご愛嬌だ。
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