しんどう

お早ようのしんどうのレビュー・感想・評価

お早よう(1959年製作の映画)
4.0
テレビを買って欲しい子供たちを中心に主婦たちの人間関係のトラブルを描いていく。それがいくつものエピソードを織り成しながら展開していく。この入り組んだストーリーを表現するように、人物たちの住む住宅地の構図や、人物たちの家の出入りを複雑に見せて、シナリオと映像を見事に一致させている。この映像に関する小津の演出は素晴らしい。
とにかく本作はシナリオがよくできていると思う。詰め込み過ぎと思われるくらいのエピソードを上手く捌いている。本作の“幹”となるテレビをねだる子供たちの話に各エピソードが“枝葉”となってくっ付き、単純なストーリーが層を増し、作品をおもしろくしている。実に上手い。
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