SHOHEI

お早ようのSHOHEIのレビュー・感想・評価

お早よう(1959年製作の映画)
4.0
テレビを見るため隣の家に入り浸る実と勇。そんな息子に呆れた母・民子と父・敬太郎は息子たちを叱る。無駄口を叩くなと言われた実と勇はそれから誰とも口を利かなくなる。やがて彼らのその行動が近所中に一波乱を及ぼす。

コミュニケーションのちょっとしたズレから波及していく珍事を描いた小津安二郎十八番の家庭的な映画。出演は小津作品常連の俳優ばかり。我々も会話の切り出しに使う挨拶や天気の話題。そんな何気ない会話がどれほど人間関係の潤滑油になっているのかを教えてくれる作品。駅のホームで想いを寄せる節子に平一郎が何かを切り出そうとする場面が特に良い。古い作品ゆえに音声の聴き取りづらい部分が多々あるも、当時の生活風景など目でも楽しめる場面も沢山。舞台は新興住宅地ということらしいがどう見ても河原の土手の辺りに建てたセット丸出しの風景。当時はこんな場所にも住宅地を建てたのだろうか。
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