Monisan

お早ようのMonisanのレビュー・感想・評価

お早よう(1959年製作の映画)
4.2
観た。

面白いなぁ。
自分も、もうだいぶ大人になったけれど、やっぱりオナラは笑ってしまう。これは今も昔も普遍的なネタなのかな。

子ども達のオナラ遊びは微笑ましいけど、ご主人がオナラをすると、妻があんた呼んだ?って来るくだり。2回目のなぁに?に本当に用件を伝えちゃうのとか笑う。

しかし、安定の画角と切り返し、平面的に見える映像。家具等の美術、衣裳の色彩。編集のテンポの良さ。
もうウェス・アンダーソンじゃんか…
まったく古びれないセンスの良さ。

いやー、そうかな。そうですかね。
という台詞の独特の言い回しも味合い深い。
ご近所さん同士、妬みもあれば助け合いもあって。子ども達に無駄だと言われた挨拶や天気の話もあって。そうやって大人は生活を積み重ねていくんだよな。
上質なサザエさん実写版を観ているような気分にもなる、何気ない日常の尊さを実感させてくれる良い脚本。

意地を張る兄弟もヤキモキとさせてくれるけど、テレビが届いてたちまちご機嫌になる。自分が子どもの頃もあったな。
笠智衆演じる、厳格な父親像とか。献身的な母親。理解ある若いおばさん。良い家族。弟くん、可愛い過ぎる。アイラブユーという挨拶とか。

駅での若い大人達のひたすら天気の話をする所も後半に出てくるからこそ、良い言葉のやりとりに見えてくる。恋する2人にとっては無駄な挨拶を交わし合うだけで楽しいはず。

ねぇパンツ出してくれよぉ、からの干されたパンツで終わる。
おでこ押されてオナラ出す遊び、中学生YouTuberとかがやったら今でも流行りそう。

野田高悟、脚本。
小津安二郎、脚本・監督
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