Ran

お早ようのRanのレビュー・感想・評価

お早よう(1959年製作の映画)
3.5
小津ってこんなものも撮るのかと意外に思う反面、どこの家庭にも起こりうる親子の諍いを描くという意味ではいつも通りの小津だなとも思った。

クスッと笑ってしまうのは子供に焦点を当てているからだろう。子供の時には真面目にやっていたことがとても可愛らしく、大きな事に思えていた事が実はとても小さな事であったのだと気付かされる。

また、「無駄が世の中の潤滑油」とは名言だ。無駄な事の例として挨拶を取り上げた瞬間に私はそれは必要だ!と思うくらいに自分は大人の感性になってしまったのだが、仮に無駄だったとしても、無駄が良いと思えるというのは良い事だと思う。

そして、いさむちゃんはとにかく可愛かった。
兄弟はやはり兄に憧れるもので従順であると言うのもイメージ通り。最後の2人のじゃれあいが可愛く、笠智衆が心ではニコニコしながら彼らを諌めているその状態全てが愛おしかった。

ご近所付き合いのいやな側面、特にまた杉村春子が嫌な役を演じているのだが、この毒っ気も良いのだろう。私は少し嫌悪感を感じてしまったが、演技が上手い証拠なのだろうか。
噂が回るシーンはあるあるの光景だと感じつつも気分は良くないので私自身の行動としては控えたいと強く思った。
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