たむランボー怒りの脱出

光る眼のたむランボー怒りの脱出のレビュー・感想・評価

光る眼(1995年製作の映画)
4.0
おもろ!禍々しいイメージと滑稽なイメージが共存している。冒頭の全員が一斉に気を失う場面が良い。大勢の人間が同時に倒れる光景を撮影しているだけなのだが、縦の人間が横の人間になるというだけで、視覚的にはちょっとした革命が起こっているように見える。気絶した人々の点景をそれぞれ写していくのも丁寧だと思う。そして起き上がった人々の中の、ただ気を失って回復したというだけでは済まされない人たちは、バーベキューの鉄板の上で、意識のない間に黒焦げになっていたりする……しかしこの映画の焼死体の多さは何なのか!焼死は最も禍々しいイメージの1つであるというのは、例えばカール・ドライヤーの『怒りの日』とか見てて本当によく思う。
反対に滑稽なイメージというのは、例えばラストで主人公が超能力の子供たちから思考を読まれないようにと脳内に「壁」を作ろうとして思い浮かべる文字通りの煉瓦の壁であったり。(村上春樹みたい!)メタファーがメタファーでなくなってしまうというか。滑稽と禍々(まがまが)がくっついてることもあるけど。死亡シーンは全部笑えるように撮ってあるし。