せーや

ロード・オブ・ウォーのせーやのレビュー・感想・評価

ロード・オブ・ウォー(2005年製作の映画)
4.0
「しゃべってないで戦争しろよ。」

時は冷戦下。
ウクライナからアメリカに移住してきた
オルロフ一家の長男、ユーリは
惨めな暮らしに辟易し、武器商人としての道を歩むことを決意する。

アタリハズレの激しいニコル作品のアタリ。
なかなかの良作だーい!

実話に基づいたフィクション映画。
あまりにも主人公ユーリがトントン拍子で
武器商人として成功していくので
この辺はやっぱりフィクションなんでしょう。

戦争に対する皮肉が
嫌というほどこめられています。
でも説教臭くはない。

war lord (司令官)ではなく
lord of war (戦争の支配者)。

戦争反対!と口では簡単に言える。
実際、戦争なんてないほうがいい。
でも、戦争で飯を食ってる人もいるわけで。

ユーリのような武器商人、軍需企業。
さらには国家までも
戦争をビジネスと捉える人はたくさんいる。

兵士のなかには
家族を養うため、自らが食っていくために
戦地に赴いている人もいる。
仕方なくかもしれないけれど。

そんな「ビジネスとしての戦争」を
武器商人は、どう考えているのか。
彼らにもルールが存在する。

ユーリは武器商人として成り上がり
彼なしでは戦争が出来ないほどの影響力を得た。
紛れもなくビジネスの才能だった。

前半は彼の成り上がりが基本なので
だらけてしまう感も否めないけど
だんだんと面白くなっていきます。
「戦争とビジネス」を考えさせられる。
ラストは特にそれを象徴してますよね。

世界で最も武器を消費しているのは
米・英・仏・露・中である。

戦争はなくなるのか?

武器商人がいる限り
軍需産業がある限り
なくなることはないだろう。

ケイジ兄さんはアタリ役でした。
生え際が戻ったような…エクステかな?

そしてジャレッド・レトーも出てます。
相変わらずヤク中が似合う(褒めてる)。
髭もじゃロングヘアーより
こっちのが好青年でいいと思うけどなあ。

重い話なのに
エンターテイメント作品として見れる。
そして最後にグーッと引き込んで余韻を残す。

好きな映画。
せーや

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