へちまびと

ロード・オブ・ウォーのへちまびとのレビュー・感想・評価

ロード・オブ・ウォー(2005年製作の映画)
3.2
ウクライナ出身の武器商人の話。
事実を元にしてるのかな?でもしっかり脚色されておりわかりやすい。

何も意識せずに見始めたのだが、考えてみると今触れるには微妙な映画だったかもなぁ…などと思いながら見た。

ソ連崩壊のどさくさに紛れて「書類上はある」というかたちで武器を横領し、第三国へ売り捌くという方法で大金を儲ける主人公。
これはウクライナだけでなくソ連時代に全土で起こっていた汚職なんだろうなぁ。

このモラルの欠落がソ連を内側から崩していった一因なのだろう。

武器の売買に妻は明確に反対し、弟はその罪深さに精神を病む。主人公はもはや付き合い上断れないという現実も直視しながら割り切って商売を続けるが、心の底には罪悪感を抱えている。

ラストシーンでの「なぜ自分が釈放されるのか」の説明は、完全に観客への説明といった感がある。
教養番組か?と思ったが、これはこれで……

旧ソ連の国々はこうした汚職が蔓延していたので、それが「西側に入れてもらえない」ひとつの理由になった。
しかし、彼ら自身もこのままでいいとは思っていない……というのが現実のウクライナ危機で見えてきている。

思わず映画の話から脱線したが「映画を見た!」という満足感のある作品だ。