ククレ

ロード・オブ・ウォーのククレのネタバレレビュー・内容・結末

ロード・オブ・ウォー(2005年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

ニコラス・ケイジの演じる「死の商人(戦争の王)」は飄々としていてスマートだけど、ある意味、独裁者よりも「凶悪」なのかもしれない。テンポよくて見せ方がうまいから、重くならずに「悲惨な世界」を体験できる。

以下はネタバレ…









何と言っても、映像のセンスがいい!オープニングの「弾の一生」からとても面白くて引き込まれる。他にも、薬莢が飛ぶ音がレジの音になってたり、不時着した貨物機が一晩で骨組みだけになったりするのも皮肉たっぷり!

でも、ウクライナ出身の貧乏な兄弟が、武器取引でわらしべ長者みたいに成功していくのはちょっと都合良すぎでは?女性にもモテまくりで、憧れのモデルとも簡単に結婚。その妻に商売をずっと知られないでいるなんてあり得るかな?その辺りがイマイチやった。
だって、コンテナの鍵はナンバー錠だけ…。無防備過ぎないか?

やっと逮捕されても、すぐに釈放される。すでにアメリカ合衆国大統領にとっても必要悪な存在になっているし、武器や兵器の取引は常任理事国が最も多いのだから…というオチ。あ〜虚しいな。兵器産業は莫大な生産と消費を生み出す、資本主義の最たる「成功サイクル」なんやね…。

日本に住む我々が、「如何に平和ボケしてるか」ということを痛感できる。ウクライナ戦争をはじめ、世界中の紛争はとても複雑なものであり、「戦争反対」という理想論の無責任な言葉だけでは解決できない。日本が戦争に「巻き込まれないように」するために、「必要悪」を利用することも考えないといけない。
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