LEGION

ロード・オブ・ウォーのLEGIONのレビュー・感想・評価

ロード・オブ・ウォー(2005年製作の映画)
3.5
武器の売買をビジネスとして目をつけた主人公が武器商人として地位を高めていく物語。映画冒頭の OPであった銃の球という物の視点から武器の一生を描いたカットは印象が強く、戦争や抗争で人間をどのような結果へ追いやってしまうのかを知った。映画全体で主人公のナレーションも印象的だった。たしかに登場人物の人柄や理解しにくい情勢を分かりやすく説明していてナレーションの使い方は型にはまっていたがナレーション時間がやけに多い。説明されなくても画で伝わるようなものもあったのでペース配分がそこまでよく感じず楽しむことはできなかった。この作品は内戦や抗戦を身内から掘り下げず外部(武器商人)という一歩離れた立場から掘り下げているから余計な私情があまり入らず出来事をそのままに感じることができたので見やすかった。
「人生において悲劇は『夢が破れたとき』と『夢が叶ったとき』」という主人公の考え方には頷かされるものがあった。自分の中に少しでも正しくないという思いがあるのならその場所に踏み込んでも幸せになることはできないと痛いほど痛感した。直接人を殺さないように手を汚さないこの映画の武器商人は自分のせいで人が死ぬということは考えていない。責任の無さから組み立てられた”充実”という建物はいかに脆く崩れやすいかうまく表現しているように感じた。
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