エリック・ロメール監督の"喜劇と格言"シリーズ第1作。
彼女アンとその元カレ・クリスチャンの関係性を疑う若い男フランソワが、クリスチャンとその妻と思しき女性の後をつける。
「人は必ず何かを考えてしまう」
初エリック・ロメール。
言葉では表現しにくいけど、とても魅力的な作品だった。男と女の痴話喧嘩を繰り広げる昼ドラのような作品なのに、とても惹きつけられる。人間たちの関係性がどれも瑞々しく興味深かった。
突然現れた元カレに別れを告げられた女と、恋人が元カレと一緒にいる現場を目撃してしまった男。愛に裏切られ、心荒んだ一組のカップルの物語。都会パリの恋人たち、孤独、運命の悪戯。ホロ苦ラストが味わい深かった。
アンヌ。今すぐ出てって、待って、帰らないで、いて、結婚と同棲は別よ、など情緒不安定な感じがとてもリアル。
フランソワがバスで偶然出会った女性リュシー(アンヌ・ロール・ムーリー)。彼女の持つ魅力にやられた。恋してしまった。天真爛漫で、しっかりした芯を持つ、天使のような良き話し相手。ラコステの紺のポロシャツがとても似合っていた。
パリ旧市街の町並み、ファッション、公園の鮮やかな緑。
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