くまやぼのみまふさ

飛行士の妻のくまやぼのみまふさのレビュー・感想・評価

飛行士の妻(1980年製作の映画)
4.2
恋愛は二股の方が良いのでは。二股は恋愛熱量がゼロサムではなく割合だから対象への執着度と距離感が極端にならず故にウザがられず、対象への余裕と優しさは互いの平安となる。イケメン飛行士がアンヌも好きだが子供のために妻を選ぶという態度、アンヌのフランソワへのイラつきと都合の良い依存、フランソワがリュシーの存在を匂わせた時のアンヌの嫌味、その効果に満更でもないフランソワはリュシーの存在に前向きになる。しかしリュシーの15歳にふさわしいBFへの大好きチュ~を目撃。このイケメンBFもすかした感じからきっと二股なはず。リュシーの「決めるのは常に女性なの」というませた台詞も結局イケメンかよで無効なのだが、この「セラヴィ」もロメール映画を観つづける苦い愉楽。その直後にフランソワがリュシーへのハガキを捨てずにキオスクで切手を買い求め投函するシークエンスが心に残る。