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ジョゼと虎と魚たちのmomoのレビュー・感想・評価

ジョゼと虎と魚たち(2003年製作の映画)
4.0
田辺聖子氏の原作に合わせてか、昭和の色調で描かれている。ジョゼの手料理を美味しそうに頬張る妻夫木聡さんの表情が良かった。私も食べたくなった。料理上手って最高の特技だと思う。ちょっとしたものを美味しく作るってすごいことだよ。繊細な味覚、的確な技術、丁寧な姿勢がないとできない。障害のあるなしでなく、ジョゼは素晴らしい女性だ。私はジョゼを選んだほうが、幸せなんじゃないかと思った。男はもう一生あの味を味わうことができない。損したな、と思うよ。美味しいご飯食べさせてもらって、愛し合って子どもができて、普通に楽しい人生が送れたと思う。障害者との付き合いって福祉とかじゃなくて(もちろん社会的な整備は必用)、同じ人間としてどう関わっていくかなんじゃないかな。せっかくジョゼと普通に付き合えていたのに残念。ただジョゼ自身が自分を障害者の枠に嵌めてしまっているところがあったな。切なさが伝わってきたから、ベッドシーンで涙してしまった。(こんなことは初めて。)ジョゼも障害者だって幸せになる権利があるという発想ができていたら変わっていたのかもね。障害者も健常者も幸せになるために生きているんだから。今度はまた食い意地の張った男を捕まえて、がっつり幸せになっているといいな、ジョゼ。
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