ひろりこ

ジョゼと虎と魚たちのひろりこのレビュー・感想・評価

ジョゼと虎と魚たち(2003年製作の映画)
4.6
鑑賞記録&感想
【10数年ぶり2回目の視聴】
☆犬童一心監督作品・脚本 渡辺あや ・原作 田辺聖子

忘れたい、いとおしい、忘れられない。

〜あらすじ〜
ごく普通の大学生の恒夫。
最近バイト先では乳母車を押す婆さんが噂になっていた。
ある日、恒夫は坂道を走ってくる乳母車を見つける。
中には包丁を振り回す少女がいた。それが恒夫とジョゼの出会いだった。
恒夫は自分をジョゼと呼ぶ不思議な少女に惹かれてゆく…

今から10数年前にレンタルDVDで初めて観たときよりも遥かに今回はより鮮明に痛いほど心の奥に響きました。当たり前かもしれないですが歳を重ねるにつれ見方や感じ方ってほんと変わるものですね。

ジョゼ役の池脇千鶴さんの繊細で切ない演技に中盤、声を出して涙しました。ほんとジョゼが愛おしい。凛とした女優魂を魅せてくれてありがとう。
恒夫を演じた妻夫木くんはまだ大学生と若く気持ちが揺れ動く心優しい男を自然体で好演している。

初々しい上野樹里さん、初見では気づかなかったまさかの江口のりこさん(〃ω〃)かなりとんがってハマっていた新井浩文さんなどなど周りのキャスト陣の演技もとても光っている。

私は恒夫を責めることはできない。

光の届かない檻から救い出された虎から泳ぎ方をを覚えたばかりの魚になったジョゼ。

神様、どうかジョゼのこれからの人生に光を与えてください。

エンドロールで流れるくるりの主題歌「ハイウェイ」が心に切なく沁みる。

この先ずっとこの作品は忘れたくないし忘れられないだろう。
ひろりこ

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