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花嫁凱旋のodyssのレビュー・感想・評価

花嫁凱旋(1936年製作の映画)
3.7
【戦前のラブコメ佳作】

1936年のアメリカ映画、モノクロ。

旧弊な道徳が支配する田舎町で叔母ふたりと暮らす若い娘シオドラ(アイリーン・ダン)。ペンネームを用いてこっそり書いた小説がNYで出版されて大ヒット、彼女の住む町の新聞にも転載される。しかし不道徳な内容だというので町の文芸クラブの婦人たちは激怒し、新聞社に掲載中止を要求。

自分が作者であることを秘密にしているシオドラは困ってしまうが、NYの出版元で自作の挿絵を描いた青年(メルビン・ダグラス)と知り合い、その青年が彼女の跡を追って田舎町まで訪ねてきたので、パニックに。自分があの小説を書いたと知れたら大変だから。

さいわい、青年は出て行くが、やがて彼の正体が判明するとシオドラは・・・

前半は秘密を持つヒロインを挿絵画家の青年が翻弄する話だが、後半は逆に、打って変わってじゃじゃ馬と化したヒロインが青年を責めまくるストーリー。前半と後半の攻守交代が面白い。

町の婦人たちの建前的な行動の背後に本音が見え隠れするところも笑える。

結構よくできたラブコメだと思う。
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