もた福まんじゅう

富江のもた福まんじゅうのネタバレレビュー・内容・結末

富江(1999年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

WATCHAに初回無料で入っている間に興味あるものを観ていく、「富江」はそのひとつ。
私が高校生くらいの頃の映画なのでリアルタイムの映画。その頃は全く興味無かったので観てませんでした。
この頃はジャパニーズホラーと言われる面白いホラーがいっぱいつくられていたし、「リング」や「らせん」など小説も大ヒットベストセラーだった。本がブームになって、学校でも皆ほとんど読んでいたし、貸し借りしていた。私は本は読まなかったけど。今じゃ本が流行るなんて事は無いんだろうな。
主人公が彼氏が作った料理を食べる前にカメラで撮る場面があり、彼氏がうんざりして、「せっかく作ったものを温かいうちに食べて欲しいのに」というような事を言うのだが、今はスマホのカメラでまず撮ってから食べるデジタルネイティブ世代にはこの気持ち理解出来ないんだろうな。

画像の独特の粗さが、フィルムカメラで撮ってるみたいでいい。音楽も凄く不思議な感じで良かった。みんな登場人物がどことなく不気味な雰囲気だった。
最後のクレジットを見ると原作の伊藤潤二が出演者で出ているみたいだったけどなんの役だったんだろう。そもそも素顔をよく知らない。
ネットフリックスの「マニアック」も観たが、気持ち悪さや怖さはこの物語でも感じることが出来た。
特に菅野美穂の富江は可愛らしいのに残虐で凄くあっていると思った。悪魔の目になるのがかっこよかった。
ゴキブリ(本物っぽい)を手掴みしてケタケタ悪いながら主人公に晩御飯だよといって食べさそうとするシーンが鬼畜だし、ゴキブリ掴んでる菅野美穂の役者魂に凄いと思う反面ひいた。
最初、富江がバスケットでゴキを食べて吐き出すシーンがあったがこのシーンを示唆してたか?
最近の日本の映画はみんななんとなく清潔感があり、理路整然としていてオシャレでスマートになってきているけど、この粗さと不器用な感じが心地よいと感じるのは私がもうどんどん時代に追いつけなくなってきて枯渇していっていて懐古主義になってしまっている現れだろう。
富江は肉体の制限を超越していつまでも若く永久に生き続ける事が出来る。時代の流れなど見向きもしないで。
精神科医の「いつまでも過去に囚われてはいけない。過去には何もないのよ、あるのは自分の亡霊だけ。」みたいなセリフが良かった。