モリユウキ

達磨はなぜ東へ行ったのかのモリユウキのレビュー・感想・評価

達磨はなぜ東へ行ったのか(1989年製作の映画)
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老僧・修行僧・みなしごの三人が登場するが、物語という程のドラマは無い。
仏教の禅問答である「達磨大師は何故東方世界へと向かったのか」という一節をタイトルとしていることもあり、禅の世界観を映像で表現したという、一種アート・フィルムに近い作品かと。
監督も観念的に捉えて欲しくないと言っていたようなので、この映画は鑑賞というより、体験に近いのかも。
森羅万象の自然映像美が一つの見所でもあるようなのだが、一般にはVHSで手に入れるのが精一杯のようなので、フィルムで見る事が出来ないのは少々残念。

6年前程前に岩波ホールの総支配人さんに講義を頂いた際に推薦をされ、この度ようやく手に入れる事が出来たのですが、難解な作品でした。自分の理解を越えたものに触れて意識を拡張するきっかけになるような1本。