R

悪魔のような女のRのレビュー・感想・評価

悪魔のような女(1996年製作の映画)
2.9
純真で、か弱く、それゆえに高圧的なダメ夫ガイの言いなりになってる女校長ミア。ミアの友人であり夫の愛人でもあるやさぐれビッチな女教師ニコル。ミアとニコルは協力して、ガイの殺害計画を実行にうつす。寮制男子校の女教師がイザベルアジャーニとシャロンストーンの2大美女であるというとんでもない配役に、それとは対照的なクラシックで厳格な学校というセッティングが、大変にエロティックなギャップを生んでて、苦しゅうない、と思いながら見ていた序盤。それはさすがにあり得なくない?て言いたくなるコントみたいなシーンが多少ありながらも、ガイを風呂場に沈めて溺死させるシーンまではかなりハラハラが続く。問題はそこから。ちょっとダラダラ続きすぎ。上映時間的にまだそんなヤバいことは起こるまいと、タカをくくって見れるくらい余裕な心持ちで見れてしまうので、それはつまり退屈ってことっすよね? 殺したガイを学校のプールに沈め、翌日には浮き上がって事件になるはずが、出てこない、プールの水を抜いても出てこない、一体ガイはどこに消えたのか…というミステリーと、ひょっとすると殺人のことが誰かに知られて利用されようとしているのではないかって恐怖、そして、彼女らふたりにつきまとい始める女探偵に計画がバレてしまうのではないかという緊張感、うまくいけば面白くなりそうな素材ばかりなのに、それぞれの要素が、どうもうまく作用してる感じがしなかった。その感じは最後まで続くんやけど、それでも見応えがあるのは、やっぱ主演ふたりの圧倒的な存在感。特に本作でラジー賞を獲ったシャロンストーンは素晴らしい。過度な演技だからこその魅力が見事に花咲いている。悪魔のような女ってか、ただの性悪ビッチなとこが最高で、数学を教える姿から、タバコの吸い方まで、すべてがカッコよくて様になってる。前半の真っ赤な服と豹柄を合わせたファッションもよく似合ってるし。それとは真反対のビクビクして陰鬱なイザベルアジャーニとの意外な組み合わせが生み出すケミストリーがなければ、ホントに見るに耐えない作品になってたのではないでしょうか。本作の元のフランス映画、見たいけどレンタルにありません。Blu-ray化を強く希望。
R

R