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愛情の系譜のseapony3000のレビュー・感想・評価

愛情の系譜(1961年製作の映画)
5.0
山村聰の構えるカメラレンズのシーンからわくわく。「猟銃」系かと思ったらふたりは父と娘。こちら聖と俗と織り交ぜてドロドロに流れる血と血の愛憎劇…最高。木下恵介系列のルックスしたピュア非行少年・宗方勝己さんの岡田茉莉子に向ける幼い愛情の危うさと、みるからにやめとけよな三橋達也のクラゲ男ぶり。個室レストランの場面からもう信用ならないし。サラダにマカロニグラタンに「キャンティは高いからやめておくわ」山村聰いきつけ料亭では串団子に柑橘まるごとシャーベット、桑野みゆきは箱入りクッキーにシュークリーム、阿寒湖の民藝レストランで高橋とよにダブルスーサイド(心中しても男のほうは死なない)のお話聞きながら鉄板焼き。煙草もそれぞれの銘柄だし家もそれぞれインテリア気になるし、岡田茉莉子のアップは素晴らしいし、湖の水面揺れるし、山村聰の社長室の鳥の写真みなきゃだし、みるとこ多すぎてぐったり。根回し上手な高峰三枝子ヤバい母の悪女ぶり犬神家の松子の表情思い出した。さすがに「白い牙」でヤバいと思ったか監督、牧紀子さんの声は吹き替えだったけどその吹き替えも甲高くて逆に不気味。オレンジベースで土足の山村聰のお洒落過剰なお部屋と東京アパートの寒々しい無機質な外観のギャップがまた素晴らしかった。どこまで細部にこだわるの。学ラン姿の園井さんも出てて嬉しかった。
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