ポンコツ娘萌え萌え同盟

新篇 丹下左膳 隻眼の巻のポンコツ娘萌え萌え同盟のレビュー・感想・評価

新篇 丹下左膳 隻眼の巻(1939年製作の映画)
3.7
『奴銀平』との二本立てで見た。奴銀平が主役の性格も陰湿な社会の中に光る忠義の内容も慌ただしい作品を見たなぁと思ったあとに、今度は逆に後半がコテコテな心理描写を強く映し出した作品を見るとは思わなかったよ。一応続編らしい。
丹下左膳が丹下左膳に生まれ変わる内容を描いていて、
序盤こそ目を斬られ隻眼隻腕になった大河内の丹下左膳と、高峰秀子の演じるちょっとツンデレ気味なお春のかわいいさに萌ていた。特に浅草を歩くところにこの二人が本当に萌えポイント高くて、他者が二人のやり取りの横姿を捉える。周りの人は二人の姿を見てはカメラワークと共に通り過ぎていくけど逆に我々鑑賞さはこの姿をシーンの終わりまでみ続けることができる。まるで特等席で二人を見ているようじゃないか。それに首元に木の枝をぶら下げてる丹下左膳の姿がマヂで萌え度高い。

ただ豪快な丹下左膳の姿を見るというよりは、後半になると裏切り者や犬と罵られた彼が黙って立つ姿と背景で映すだけで無常感あふれる心理描写になるんだなぁと。
それにつられたのか後半の登場人物の姿や表情と背景、シーンから見せていく人間臭い心理描写へとフォーカスを当てていった印象。やりすぎな気もするが。
そして特にやはりというべきというか、ここでも丹下左膳とお春のある場面が印象深く残る。花と折り鶴、二人の姿と立ち位置から表情の見せ方から見せる何とも言えぬ心理にやられて、ああ本作は丹下左膳とお春の映画だなぁと改めて思った。

一応殺陣もあるけどアクションを求めるとドラマ映画寄りなので消化不足だったけどそれでも丹下左膳へと生まれ変わったところの丹下の立ち位置と照明が良くて画のような美しさで観ることもできる