ダイアー教授

エイリアン2のダイアー教授のレビュー・感想・評価

エイリアン2(1986年製作の映画)
5.0
製作:1986年、アメリカ
監督:ジェームズ・キャメロン
原題:ALIENS
脚本:ジェームズ・キャメロン
出演:シガニー・ウィバー、マイケル・ビーン、ビル・パクストン、ランス・ヘンリクセン

ひさびさに、好きな映画をマジメにレビューしようと思います。

『エイリアン』は性的な要素と近代SF的な要素が強い。
それは美術デザインのH・ギーガーと、物語のベースとなっているラブクラフト作品の影響である。

ギーガーが設計した美術はエイリアン本体、卵、スペースジョッキーの造形等、
とても性的な要素が強い。
「エイリアン」シリーズには、作り手の性的な嗜好が如実に反映されると思う。

本作、性的なギーガー色とクトゥルフ神話の要素は1作目より薄いと感じた。
代わりにと言っちゃなんだが、キャメロン色が濃い。

4つにまとめてレビューします。

1.強い女が好き
キャメロンは強い女が好き。
サラ・コナー、リプリー、前の奥さんのゲイル・アン・ハードとか、彼は女傑が好きなのだ。『タイタニック』の
本作にもバスケス上等兵という、「三國無双」の祝融ばりの女傑が登場する。
※TVドラマ「VIP」のニッキーは本作のバスケスがモデルと思われる。

キャメロンは『アバター』でもミシェル・ロドリゲスに似たような役をやらせていた。
『ランボー2』のコー嬢もそうだったが、キャメロンは闘う女が好きなんだと思う。
私には理解できんが、彼の性癖は一貫している。
浜辺美波はキャメロンから声がかかることはないだろう。

2.戦争が好き
キャメロンは武器が好きで、銃とか戦闘機まわりの熱量が半端ない。
本作でもエイリアンどもを駆除する銃火器(スマートガン、センチュリーガン)がめちゃくちゃカッコいい。

また、キャッチコピーの“今度は戦争だ!”は、本作はベトナム戦争を意識していることを匂わせる。

3.ロボットが好き
キャメロンの映画ではロボットが男気を見せる!
彼らは、人間…いや、人間性のために命を張る。
キャメロンの根底には“人間嫌い”があるのではないだろうか?

4.私見
・オープニングの曲は『ネクロマンティック』のテーマ曲と類似していると思った。
正直、パクっていると思う。
もちろん、パクっているのはブットレゲイトだぜ。

・バーグ
本作のヒール。ある意味、エイリアンの何倍もやっかい。
いかにもユダヤ系の名前といかにもホワイトカラー的外見。

初見時、私は子供でバーグが憎たらしくてたまらなかった。
現在、私も社会人、いや、会社人になり約20年…
バーグの気持ちがわからんでもない。