KEKEKE

エイリアン2のKEKEKEのレビュー・感想・評価

エイリアン2(1986年製作の映画)
5.0
- 天才的におもしろい
- 1と2の温度差こんだけ開いてる作品って他にあんのかな
- エイリアンなんだけどターミネーターだしタイタニックだしアバターだ
- キャメロンのフィルモグラフィって一見とっ散らかってるようで一貫性やばい
- 帝国主義と軍事産業、植民地支配と異種間交流、駆逐と脱出、殺戮と報復、利他と慈愛
- エイリアンというテーマの強度が高すぎて、それらを全て詰め込めてしまったのが今作
- 設定や世界観をこれだけ丁寧に継承しながら(もう宇宙を描く気はさらさらなさそうだったけど(1があのキャッチコピーだったのに))、自分の領域へと完全に作品を引き込んでいて本当にぶったまげた
- 理想のツーだし攻めのツー

- リブリーがエイリアンの巣を火炎放射器で一網打尽にする寸前、彼女が置かれている状況に照らしてかなり長大な躊躇いの時間があった
- この30秒間の逡巡にキャメロンの伝えたいことの全てが詰まっていると思った
- ジェノサイドは心身ともに健全な、利他的で正義感溢れる人間によって為されるのだ
- 殺戮と愛情が両立してしまうのが人類であると、彼は人生を懸けて、世界に発信し続けている

- 籠城→ダクト→水路→救出、映画をぜんぶわかってしまっているんじゃないかってくらい完璧な流れでスペクタクルを描く
- リドリースコットが2時間かけて作れなかったカタルシスを10分で5回演出する
- 娯楽映画の巨匠ここに極まれり
- シガニーウィーバー、1と同じ俳優とは思えない機敏さと頼もしさだった

- それはそうとアバターも今作も多分ターミネーターも、キャメロンって実はSFにそんな興味ないよな
- その過程でメカや武器を描くこととか、映像的な新しさを追求するためのツールなのであって、SFを本気で撮ろうという気はないんだろうなと思う
- 設定の甘さとかシーンの配分からそれがひしひしと伝わってくる
- 宇宙船のドア開けちゃったり(でもこれ1へのリスペクトか)、冷凍睡眠を都合よく使いすぎていたり(アバターもそうだった)、武器だけローテクだったり(アバターも...)
- ロボットやアンドロイドの内面を描くのも、それによって人間を人間たらしめているものを浮き彫りにするため
- ヒューマニズムを考え続ける監督

- アバターのパワードスーツの戦闘シーンてこの映画のラストシーンのセルフオマージュだったんだな
- 今更だけどエイリアンの意匠ってフィンチャーのイレイザーヘッド入ってない?
- リドリースコットこれ見てひっくり返っただろうな
- リドリースコットにブレードランナーを撮らせ、ジェームズキャメロンにアバターを撮らせたテーマだと考えるとすごいモンスターだ
- アバター7までやるって!?胆力!
- とにかく面白かった
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