白波

千羽づるの白波のレビュー・感想・評価

千羽づる(1989年製作の映画)
3.8
プライム・ビデオ鑑賞
広島の原爆症を描いた作品。
原爆の子の像のモデルとなった少女の半生を描いたもので、そのあまりにも短い時間が美しくも儚い。
原爆症を取り扱っているが生々しい痛みではなく、それはゆっくりと消えていく泡のよう。
友達と過ごした時間、楽しかった修学旅行、頑張った運動会、背伸びしたおめかし。
そんな当たり前で、でもとても大切な瞬間を、邦画らしく静かで丁寧に描いていました。
両親役には前田吟と倍賞千恵子と盤石。
娘の余命を告げられる悲しみが深く、特に倍賞千恵子が素晴らしい。
訪れる未来に覚悟を決め、温かく見守るその表情には胸が熱くなります。
とても静かで、でも改めて戦争という闇を知る作品でした。
すごく、すごく悲しかったです。
白波

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