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恋や恋なすな恋のsukeのレビュー・感想・評価

恋や恋なすな恋(1962年製作の映画)
5.0
創造力、自由さにぶっ飛び。表現ありきというよりは、こさえられた物語に即してその情報の伸び代をあの手この手で引き出している感じ。
実写パートの初めの方、現代のオフィスみたいな白っぽい照明が気になっていたが、意外と絵巻オマージュっぽい構図の部屋と人物のショットには馴染んでいた。
またいわゆる映画的な話法で語られている中で演劇的な舞踊が入ってきたり、アニメーションが合成されたり、完全に歌舞伎の舞台になったりというところが、その切り替わり部分と、完全に切り替わらない、そうは言っても一つの映画の中で編集され加工され、その真実味のゆらぎが生じつつもアートフォームとしての映画のかたちの均衡を保っている感じがかっこいいし刺激的。蝶や火の玉の釣り糸や、舞台の回転盤の存在が見えてしまうこと自体も許容されるようになる。

こういう日本のファンタジー風味のある古典的な題材を脚色しまくって、GoT的な連続ドラマっぽい感じの映像作品を作るとしたらどうなるかなど妄想。
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