ぽんぽこ

恋や恋なすな恋のぽんぽこのレビュー・感想・評価

恋や恋なすな恋(1962年製作の映画)
3.6
『恋や恋なすな恋』3つも恋という字が入ってる。
変な映画とは聞いていましたがホンマに変でした。
京都文化博物館、2日連日です。
年末で何かとしなきゃいけない事はあるのですが、こういう映画はレンタルも無いし映画館で上映する事は滅多に無いと足繁く通いました。
8割程埋まっていました。


天文学者、加茂保憲は養女、榊を愛している勤勉な保名を加茂家の跡継ぎにと考えていました。
もう1人の男、道満は保憲の後室と通じていて跡継ぎにさせたい事を知り、秘書伝の解読を終えて、家来に暗殺させます。
保名と榊に無実の罪に着せて、榊は折檻されるのです。
とうとう、死んでしまい泣き崩れる保名。
そこまでは普通だったんだけど、あまりの悲しさで狂ったように、一面真っ黄色の菜の花畑で髪は落武者みたいに真ん中だけ無いワンレンロングで榊の着物を羽織りながら蝶々(天蚕糸見えてる)と狂喜乱舞するのです。
ちょっとオネエの阿部サダヲみたいに観えてきました。大げさな仕草や声も。
数日後、榊の妹、葛の葉に遭遇。
しばらくして白狐狩りにやってきた悪右衞門が来て保名はお婆さんに化けた白狐を助けてあげます。
悪右衞門に切られて弱っていた保名を介抱したのはあの白狐の孫。
白狐が姿を変えて、恋に落ちるのです。
いきなり、狐の漫画になったりしてファンタジーでした。
葛の葉の父親が加藤嘉でした。
葛の葉役は、山田五十鈴の娘、嵯峨美智子。
一時期、加藤嘉と山田五十鈴は結婚してたから、血は繋がってないけど、実の母親の新しい旦那と親子役。

急に舞台になったりセットが回ったり内田吐夢監督、革命的な方でした。
失敗を恐れずにオリジナリティに溢れていて、そういう人が後世に残す様な映画を作る人なんやなぁと思わされました。


内容はさておき、記憶に残る映画を年の瀬に観れて良かったです。
ぽんぽこ

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