妻が夫の浮気を疑い、探偵に調査させたら、夫の浮気相手は青年だったという、ちょっと複雑なラブストーリー。
この設定からも分かるように、作品内では同性愛も取り扱っていて、男女のさまざまな愛の形を表現しつつ、マイノリティの抱える孤独や葛藤なんかも描いているのが良かった。
あと、映像的なセンスも素晴らしい。テーマがテーマだから身体を重ねるシーンは多いんだけど、それがただの単調なラブシーンにはなってない。ちゃんと感情が見える撮り方をしてるからこそ、その後の台詞の少ない場面でも、表情だけで充分すぎる情報量が伝わってきた。
ちなみに、ロウ・イエ監督は、前作の天安門事件を描いた『天安門、恋人たち』の影響により、中国から映画撮影を禁止されていたとのこと。香港やフランスからの支援で、ゲリラ的に撮影することで完成させたらしい。機会があれば、前作も見てみたい。