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東京兄妹のmasatoのレビュー・感想・評価

東京兄妹(1995年製作の映画)
4.0
市川準の映画はとても静かな印象がある。別に事件が起きないわけでもないし、セリフが殊更少ないわけでもない。
ただ、じっと表情を見入る間があったり、何気ない空気を作るカットが実にうまく時間の流れを作っているので、いつも、矢継ぎ早にストーリーが運ぶと言う感覚がない。
小説で言うところの、行間がきちんとある感じかもしれない。
両親を亡くした兄と妹が都電の走る下町の、古びた一軒家に住んでいる姿は、懐かしさと危うさの両方を感じさせて、決してノスタルジックなだけの映画でないことを冒頭から伝えてくれる。
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