市川準監督。生粋の東京人である監督が求めた”都会の郷愁”を体現した良作、
舞台は都電が通る東京の下町。熟年夫婦のような暮らしを送る兄と妹の日常を描いた作品。東京を切り取った映画は数あれど、これほど街そのものに愛情の眼差しを向けた映画はそうないと思う、たぶん。生粋の東京人である監督だからこそ。
「まるで時が止まってしまったような郷愁のある東京の街角に心惹かれる」
「東京の稜線」
監督が書いたこの2本のエッセイを読むと変わりゆく東京、変わらない東京、その両者への愛情が感じられて物凄く心が温かくなる。
ど田舎で東京育ちの両親に育てられ、人一倍田舎コンプと東京への憧れを懐いていた身として、両親の思い出の中を覗いてるような風景が堪らない。色々な感情が沸き起こってきて纏まらないな。
取り敢えず東京中を散歩しよ。