sacchinn

東京兄妹のsacchinnのレビュー・感想・評価

東京兄妹(1995年製作の映画)
3.8
兄がこの時代の若者とは思えず、往年の笠智衆が中に入っているみたいだった。
古本屋に勤めていて、クラシック音楽のレコードを聴いたり、干し柿を買って帰ってたり、枕元のスタンドの灯りでうつ伏せになって、笠智衆の読み方で読書したりしていた。
妹に鍋を持って豆腐を買いに行かせて、それを冷奴にして食べて、一人でしゅみていた。
電話が廊下にあり、立って通話していた。振り子時計のゼンマイを妹に巻かせていた。その踏み台が恐ろしい骨董品みたいなものだった。神社で鳩を見ていた。恐ろしい骨董品みたいなデザインの座椅子も買って来た。隣のおばさんが醤油を借りに来た。隣人まで取り込まれているのか。
妹が外の世界に出ようとしても結局帰って来ざるを得ないのは、兄の呪いなのか。
sacchinn

sacchinn