くりふ

踊る結婚式のくりふのレビュー・感想・評価

踊る結婚式(1941年製作の映画)
3.0
【アステア&ヘイワース 兵士と花嫁篇】

単純に、ダンスが見たくて借りました。

踊る歌丸師匠ことフレッド・アステアと、「ギルダ以前」のリタ・ヘイワースが初めて組んだミュージカル。タップダンスはみ応えありました。

舞台監督が美人ダンサーをモノにしようと企むが奥さんにバレ、振付師を巻き込みごまかそうとしてさらに混乱へ…というお話ですが、途中からさほど必然性なく、振付師アステアが軍隊に入り舞台がそちらに移ります。

米国がWWⅡに参戦した頃なので、取り急ぎそれを取り入れた、という印象。軍務を描く映画の最初のひとつだったようです。

アステアとリタの人物像がどうも曖昧。言動に一貫性ないような。だからラブコメとしてはなんか燃えない。そもそも二人の年齢差が20ほどあるし、アステアにとってはボードヴィル時代の旧友の娘との共演、ということで火が付きづらかったのかも。

全体では背骨がなく、パーツを継ぎ接ぎして出来上がった印象。が、パーツの魅力は時々炸裂してますね。

私にとってはリタ登場時、初めてアステアと踏むタップが小気味よくも美しく、短いですが本作一のダンスシーンでした。

リタさんは受け身キャラということもあり、地の美しさ以外はあまり弾けません。ウエディングドレスでのタップダンス、という大見せ場もあるんですが、足を見せないドレスでそれやってもどうにも不発。

だからやっぱりアステア映画ですね。ソロで踏むタップは相変わらずお見事でした。

兵士と花嫁、でミュージカルをしてしまうのって、やっぱりそういうご時世だったんでしょうかね。美しき花嫁を守るため戦え!てなところでしょうか。

<2014.2.16記>
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